・YouTubeが優酷(youku)に比べてダサイわけ
公開日:
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最終更新日:2014/06/29
・ 日本から見た中国
中国のウェブサイトの質は、全般的に言って、私の知っている日本のウェブサイトの状況よりよくなくて、リンク切れがあったり、どこに何があるか分からない等あまり良くありません。
しかし中国サイトには一部ホテル、航空チケット予約サイトの携程(xiecheng)などユーザビリティーのよいサイトがあります。日本や欧米にない柔軟な思想で作っている部分があるように思います。
そのようにユーザビリティーのよいサイトの一つとして中国の動画サイトの優酷(youku)があります。概ね満足しています。優酷(youku)を使い慣れた後に、本家といっていいYouTubeを使うと、がっかりさせられることが結構あります。
その理由を書きます。あまり重要なことでないので、いちいち確認とらず印象で書きます。多少間違いあったらご容赦ください。
【広告】
YouTubeに対する最大の不満はその広告にあります。優酷(youku)はだいたい広告を数十秒から長いものでたぶん45秒とか長く見る必要があります。YouTubeは数秒見たら広告を飛ばすことができます。にも関わらず、YouTubeを見ているとイライラしてきます。
YouTubeの広告は、解像度がたぶん高すぎ、しかも作りがテレビコマーシャルやパワーポイントのスライドなどを感じさせるものが多くなっています。それ以降のビデオと全然なじんでいないのです。ひじょうに異質なものを見せられている感じでかなりの異物感があります。実際見たいビデオとのつながりが全くない感じで、ブツ切れ感がでます。
これに対して優酷の広告は、ほとんど映画館で予告編を見ているような感じで見られます。これは何故か分かりませんが、広告はみんな映画的に作られている感じです。なので、シームレスに無理なく後ろの本当に見たい動画とつながります。広告が本編の動画の雰囲気に近いのです。このへんの違いが一番大きいです。
YouTubeの広告は、売りたい感が強すぎる感じがします。優酷(youku)はイメージ広告的なあっさりしたものが多いです。優酷(youku)は何か広告を一律化しているのでしょうか?
YouTubeは広告を飛ばせるようになっていますが、視聴者は無料で見ているのに広告さえ見ないのか、とやや反感を感じさせるところもあります。サービスの提供者の資金負担を賄うため広告を見てあげるというのがギブアンドテイクの正常な態度ではないでしょうか?そしてあんなパワーポイントみたいなものだから見る気が起きないのかと思います。さらに見たい動画の再生が始まっても下に鮮明な広告が表示されることがあります。優酷(youku)にはほとんどそういうことがなく、あってもごく控えめです。
【おすすめ動画】
YouTubeを開けると、毎回表示される「あなたへのお勧め動画」に「さようなら韓国、さようなら戦後体制」だの「誹謗中傷を繰り返す韓国人達へ」だの、要するに韓国と韓国人を誹謗中傷するようにビデオが多数表示されます。
まったくうんざりの極みで、私がこういうのを一番嫌うタイプということも分からないのかという気になります。優酷(youku)には、こういうことはありません。そもそもこういうビデオが目につくところに多数表示されることはありえないという良識とか節度があるものと思います。中国社会全体としてもそういう態度が共有されているように思います。おそらくYouTubeにはそれがないのです。ユーザビリティーの悪さは、おそらくそういうところから由来してきているのではないか、という気がします。
【再生のなめらかさ】
これも軍配が優酷(youku)にあがります。そもそも本質的になめらかさが優酷(youku)のほうがいいのではないかという疑いを持っています。私は主に中国で見るので、画質が優酷(youku)のほうがよくなるのはあたりまえですが、日本で見たときもなんとなくYouTubeにはカクカク感があるような気がしています。なにかYouTubeはCDを、優酷(youku)はアナログレコードを聴いているような感じがあるのです。YouTubeは画像を鮮明化するために間引いていないのでしょうか?
優酷(youku)の場合、標準、高画質、超高画質など細かく調整できます。YouTubeはそこまで細かくないと思います。基本的に与えられた画質で見る印象です。中国はネット環境が他の先進国のようによくないので、その要因が大きいと思いますが、低速な環境でもそれなりになめらかに見られるようになっています。YouTubeは鮮明な画質優先で、ネット環境が悪いと止まってしまったりとかそういう感じです。このへんも、画像は綺麗でないと視聴者にばかにされるというような、なんとなく見てくれ重視のセコイ文化を感じます。
もっとも優酷(youku)は、日本から見ると途中で固まって見れないことが多いような記憶で、サーバーの能力じたいはYouTubeのほうがいいのかもしれません。
【総評】
YouTubeはやや荒削りで、儲けにやや視点が偏っており、優酷(youku)には、全般的に利用者に対する東洋的な繊細な配慮が見えるのではないでしょうか。中国社会の顧客の必要に柔軟に対応するよい文化の部分がでているような気がします。
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